本心をさらす男(おもしろ漫画小説とまとめ記事)

まとめ記事とおもしろ小説、四コマ漫画等、本心がわかる特殊なキャラで表現しています テーマは本心、お世辞、恋愛、いじめ、人間関係等です

命懸けのお世辞


f:id:masayaX:20160514145340j:image
私は内代さんからごちそうをしてもらえるということで、期待しながら内代さんの家に向かった。

そして内代さんのごちそうを頂いたのだが、その食べ物はとても美味しくはなかったのだ。僕は純粋な気持ちを表現した。

「美味しくないね」・・・

すると空気が一変したのだ。

「何で美味しくないの!」

と内代さんの激しい問いかけに、私は戸惑いそして考えた・・・

なぜ美味しくないのであろう・・・

この得体の知れないものは何でできているのであろう・・・

どんなに考えても答えは出てこないのだ・・・

そして私は少しずつ、自分の本心とは違う対応をするようになっていった。

「これおいしいね」

とてもまずいものをほうばりながらそう答えた。内代さんは私の急激な対応の変化も、
一切、おかしいとも思わず

「ありがとう」

そう笑顔で答えたのだ。

やった内代さんの笑顔が見れた、心の中で私は喜んだのだ。

そして私のテクニックは進化していったのだ。

「こんな美味しいもの生まれてはじめてだよ」

と口の中にあるものを、吐き出しそうになりながらもそう答えた。

内代さんは私の進化していくお世辞にも
一切おかしいとも思わず

「おかわりあるわよ」

そう笑顔で答えたのだ。

なんとその料理は、うまい料理でも食べきれないぐらい作ってあったのだ。

やばい、やってしまった

私は心のなかでそう叫んだのだ、僕はもうこんなひどい食べ物には触れたくもなかったのだ。

だが残念ながら私は男なのだ、もう引くわけには行かない。

そして私は決死の覚悟をして

「おかわり!」

そう答えたのだ。

僕はこんなにも自分の意見とは違う回答したことが初めての経験だった。

「天国と地獄どっち行きたいですか?」
と聞かれ

「地獄です」
といっているようなものなのだ。

私は死ぬ思いで食べた。もちろん生まれて初めて美味しいものに出会ったように。

だがそれは生まれて初めてのまずい料理だったのだ。

そうです、私はもう地獄にいたのだ。

わたしがなぜここまでするのかというと、私は内代さんを愛してしまっていたのだ。

そしてこの命懸けのお世辞により内代さんは私を気に入ったかどうかはわからないが、
これにより内代さんのとびきりの笑顔を作ったことは言うまでもないことだ。

そして私は帰り道、気づくのである。
次の内代さんの次のごちそうの招待はあるのかどうかを!。

あんな笑顔にしてしまったのだ、次またということは安易に予想できる事だった。

そして私は今日やってきた自分の行ないに恐怖した。

次の恐怖がまたやって来ないことを祈るばかりである。






この話はフィクションです





このブログは、フリー写真素材ぱくたそ(https://pakutaso.com)の写真素材を利用しています。